亀の村/コンケン(郊外)ーー観光客が行かないタイの街

コンケンを知っていますか?

知ってる人は知っている。
コンケンは「イサーン」と呼ばれるタイ東北地方で1、2を争うくらいの大都市です。

位置はイサーン台地のほぼ真ん中。
バンコク/ヴィエンチャンの行き来には必ず通るはずの街です。

なぜこの街に立ち寄ったのか?

それはたまたま、コンケンの近郊に素晴らしいスポットを見つけたからでした。

その名も「カメ村」

いいですねえ。
いかにも「ここはおもろいでっせ!」っていう匂いがします。

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タイ旅行の情報収集法

「カメ村」という名前は、ニックネームや私の意訳では決してありません。

タイ語で「バーン・タオ」
「バーン」は「村」で、「タオ」は「カメ」なので、これは「カメ村」としか訳しようがない。

カメ村って…
どんな村?

こんな村です:

コンケンイサーン

この記事で見つけて、「よし、わざわざ行こう!」と決めた次第です。

出典は『大いなる田舎 タイ東北部 イサーン』
1996年発行の、じゃらん九州発編集部とTATが共同製作した冊子です。

【用語】TAT
タイ国政府観光庁(Tourism Authority of Thailand)
タイ国内のおおよそ2〜3つの県に一つくらいの割合で事務所が点在していて、旅行者に観光情報を提供しています。
日本にも、東京・大阪・福岡に拠点があります。

訪れた街にTATのオフィスがあれば、たとえ用事がなくても、私はまず訪れるようにしています。
バンコクはもちろん、アユタヤやチェンマイなど有名な観光地には必ずありますが、中には「なんでこんなところに?」っていう地方都市で出くわす場合もあって、そういう街のオフィスの方が、のんびりしていて味があっていいもんです。

イサーンに特化した冊子って、すごいですよ。
平たい言葉でいえば、極めてマニアックです。

イサーンは本当にいいところ。私大好きです。
この冊子は、復刻版を大いに期待します。

それはさておき、カメ村ですね。

冊子の解説によると:

集落内には約2000匹の亀が野放しになっていて、朝夕の涼しい時間にはあちこちからはい出てそのあたりを闊歩する。

「野放し」という響きがこたえられません。
いかにも無秩序という感じで。
いい言葉だわ。

それが100匹や200匹じゃない、2000ですから。

静かな活気に満ちあふれてそうです。

とはいえ、この冊子のこの説明以外、私、何の情報も持っていません。
「コンケンのそばにカメ村というところがあって、そこではカメが野放しにされているそうだ」という知識しか、事前にはなかったわけです。

というわけで、コンケンに着いた翌日、朝イチでTATのオフィスに行って、カメ村について聞いてみました。

コンケンのTATオフィスも、ローカルな感じのいい雰囲気です。

とっても親切で愛想もいいけども、いま一つ実用的でない(笑)

いろいろと聞いてみると、一応の答えは返ってくる。
でも、決して最後までは教えてくれない。

「答え」というより「ヒント」に近いですね。
聞いてしまったがゆえに余計わからなくなる時もたまにある。

観光客の少ない地方都市のTATでは、だいたいこんな感じです。

ただ、これはもちろんスタッフの皆さんが意地悪をしてるのではありません。

英語があんまりできないんですね。
私だって負けないくらいできませんから、これはヒント止まりのやり取りになっても仕方ない。

要はタイを旅行するのにタイ語もできない私が悪い。

とはいえ、おぼろげなやり取りの中でも、皆さん「カメ村は存在する」という太鼓判は押してくれました。
これは心強い。

さらに「バスで行ける」ということまで教えてくれました。
どこ行きのバスに乗ればいいのかは、とうとうわからずじまいでしたが(笑)

その代わりに英語で書かれたパンフレットをくれて、「マンチャキリ郡」という地域にあるという情報をくれました。
ありがてえ。十分です。

あとは旅行者の自助努力あるのみ。

郊外のスポットにたどり着くには?

TATを出た足で向かったバスターミナル。

パンフレットをちらつかせながら「バーン・タオに行きたい」と連呼してると、ああ、やっぱり、どこのどなたかは存じ上げぬものの、正解のバスのところまで連れて行ってくれました。

バスがコンケンを出発して、およそ1時間。

バスが停まって、車掌の男の子が「ここやで」と教えてくれました。

村の入口らしいですね。
なるほどカメの像がある。

[カメ村はこちら→] っていう看板も出ています。

コンケン

これ外国ではしばしば感じるのですが、言葉もできない、土地勘もないアヤフヤな人間が、よくもまあちゃんと来られるもんだわ。

どこへ行くのも、行く前は不安なものです。
が、行ってみたら、たいていは行けるものでもあります。

何やかやで昼前になってしまいました。

ジリジリ暑いし、汗も出てきますが、とにかく着いたんですから上首尾です。
ウキウキしてきます。

ニヤニヤしながら村へと踏み込んでいきます。

暑いので、通りに人の気配はまったくありません。

バス通りから少し入ると、左手に柵で囲われた「カメ公園」があります。
カメ専門の動物園みたいなもんですね。

TATでもらったパンフレットによると、「建設中」とのこと。
いよいよカメ村も、カメで村おこしという段階なのでしょうか。

すでにいくらかカメが入っているようですが、願わくば私は野放しのに会いたい。

さらに踏み込みます。

カメ村の実態

家が見えてきました。

雑貨屋っぽいの一軒あります。

どうも「村」という感じです。
もうすでに結界を踏み越えている可能性が出てきました。

ここはカメ村なのか?

でも、それにしては少し様子がおかしい。

というのも、

カメがいない。

おかしいな。

こういうのは想定してませんでした。

「ここはカメ村だろうか?」という疑問はあり得ない。
カメが野放しになってるエリアがあって、そこがカメ村なんですから、見過ごしようがないはずです。

でも実際には、2000はおろか、1匹たりとも見当たりません。

カメがいないということは……

ここではないのだろうか。

やっぱり人影もありません。
暑いから家の中にいるんでしょうが、とにかくガラーンとしています。

私、一人で立ちつくすのみ。

どうしよう……

帰るか?

いや、ちょっと待て!

いてるやん! 左下の隅に!

コンケン

うわー、何気ないなー。

あっ!
もう1匹おった!

コンケン

結局この日、村の中で目撃することができたのは上の2匹だけでした。

コトの真相が明らかになったのは帰ってから。

『イサーン』冊子にちゃんと書いてありました…

朝夕の涼しい時間にはあちこちからはい出てきてそのあたりを闊歩する。

しまったなあ。
昼間の暑い時間ではあかんかったのか…

また行かないと……

それにしても、いくら時間帯をミスったかしれませんが、2000匹でしょ?
見事に気配すらなかったですよ。

どこに隠れてたんでしょう。
さすがカメだけに、そのあたりは得意ですね。

さぞかし見えないところで、団体でじーっとしてたんでしょうねー。
不安になるくらい静かでしたから(笑)

帰り道、仕方なしに寄ってみた村の入口の「カメ公園」には、もう少しいました。

ここに居る人たちは気配を出してましたね。
「ボリッ、ボリッ」てデカい音がするから何事かと思って目を向けたら、カメがキュウリをかじる音だったりしました。

じわじわ面白いのは「復習」

さて、カメ村訪問はこのようにあっけなく終了しました。

が、TATでもらったパンフレットが、小さいながらも大変よいものであることが後に判明しました。
カメ村だけじゃなくて、カメ全般について説明してくれています。

コンケン

解説はカメの分類から始まっています。

一口にカメといっても、turtle / terrapin / tortoise / soft-shelled turtle の4種類がいるらしい。
turtle はウミガメ。
terrapin は淡水に住む大ガメ。
tortoise は陸ガメ。カメ村にひそんでるのはこれ。
最後の soft-shelled turtle は「甲羅が柔らかいカメ」なので、スッポンみたいなのを指すんでしょう。

こんな区別、知りませんでした。
っていうか、意識したことなかった。

分類の次は、古代のカメについての概観。
続いてカメ村に住む種についての説明。
まあこのあたりは割愛しましょう。

あと、コンケンからカメ村への行き方。

あ、ここに書いてたのか。
バスに乗る前に、もっとちゃんと読んだらよかった。

最後に、カメ村を訪れる旅行者への注意が、9か条にわたって記されていました。

  1. カメを踏まないこと
  2. カメを歩かせるために、火のついたタバコで追わないこと
  3. カメを投げないこと。特に、池にほりこんではいけません。ここにいるカメは泳げないので、おぼれ死んでしまいます。
  4. 子ガメを持って帰らないこと
  5. カメを裏返さない。ひとりでは元に戻れないので、誰かが助けなければそのまま死んでしまいます。
  6. カメをひっくり返して持ち上げたりしないこと。お腹に卵を持っているメスの体には深刻な影響を与えます。
  7. 夕暮れ時に車を運転する時は、カメをひかないように気をつけること
  8. 産卵シーズンに地面を掘らない。卵のありかを村の子どもに尋ねてもいけません。
  9. カメについてもっと知りたいことがあれば、いつでも村長や、村のカメ関係者に尋ねて下さい。

くだくだしい解説より、この心得集の方がずっとカメの生態をよく伝えてるような気がします。

「へーぇ」って思わされることが多いですね。
泳げないとか、ひとりでは起き上がれないとか、ああ見えてなかなか か弱い生き物だ。

でも、いろいろと「これはいけません」を続けた緊張の最後に、「何でも聞いて下さい」はいいですね。
特に聞きたいことはないものの、何となく嬉しくなってしまう。

それにしても、この9か条から学ぶべきは、カメではなくて人間の生態かもしれません。

2の「タバコで追わないように」なんて、またえらい具体的に、手段まで指摘して禁止しています。
これが2項目としてさっそく挙げられているとこを見ると、よっぽどタバコを使うヤツが多いんでしょうな。

卵の埋まってる場所だって、確かに子どもに聞いたら喜んで教えてくれそうだわ。
そりゃ聞いたらいけません。

とまあ、むしろ行って帰ってからが興味深かった1日になりましたが(行ってなければパンフレットもちゃんとは読んでなかったでしょう)、とにかく、

コンケン郊外にカメ村は実在します。

あっ!
イサーンパンフにこんなのもありました!

コンケン

知らなかった……

通り過ぎた……

そういえば来る途中、ハイウェイの道端に [キングコブラビレッジはこちら→] っていう看板が出てたなあ。
これのことだったのか……

今度は100匹と、数自体は小ぶりですが、何せ相手はキングコブラ。
カメ2000よりも手ごわそうです。


コンケン(グーグルマップ)

■これまで私が滞在した街(グーグルマップ)

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