ネット上には無数の情報があふれています。
有益な情報もあれば、ほとんど役に立たない、もしくはウソの情報もあります。
いざ自分が行動を起こすとき、まずは情報を集めることが大切です。
が、それと同じくらい大切なのが、集めた情報をしっかりと選別することです。
質の悪い情報に基づいて行動してしまうと、思わぬダメージを受けることがあります。
お金や時間の無駄くらいならまだしも、タチの悪いデマに惑わされると、身の危険にもつながりかねません。
信用できる情報とデマとを的確に選別することは、まあ難しいことではあります。
それでも、「これを心に留めておくだけで選別力が大きくアップする」ということが、一つあります。
「なんとなくこれ」が一番いけない
知識と経験を豊富に持っている人なら、何も調べなくてもすべて自分自身だけで解決できます。
それだけの地力がないからこそ、私たちはネットや本やメディアから情報を仕入れる必要があります。
つまり情報収集とは、自分が持っていない知識と経験を、他人のそれでカバーするためにやるわけです。
その「他人」が信用できる人なのかどうか、また、言っていることに間違いがないかどうかを検証する作業が、すなわち情報の選別です。
ネットからたくさんの情報を集めてくる。
それをずらっと横並びにする。
そして、「なんとなくこれが正しそう」というものを選び出す。
あなたは普段、そうしていませんか?
このやり方を続けていると、いずれはデマに踊らされてしまいます!
「なんとなく」で選んでしまうのがいけません。
一番いけません。
では、いざ情報を選び出すとき、どうすればいいのか。
それは、根拠をしっかり持つことです。
根拠とは、「なぜこの情報が正しいのか?」という問いに対する答えです。
「○○だから」とすぐに出てくる答えは、明確な根拠といえます。
「なんとなく」には(明確な)根拠がありません。
情報を選び出すときには、必ず、「なぜ正しいか」の答えを見つけてからにしましょう。
では、この答えはどうやって見つければいいのか。
方法は2つあります。
たくさんの人が認めている情報を
根拠を見つける一つめの方法は、出回っている情報の「数」をチェックすることです。
1人の人が言っていることよりも、10人が言っていることの方がより信用できます。
10人よりも100人の方が、さらに信用度が高い。
100人よりも千人、千人よりも一万人です。
より多くの人が認めている情報を重視しましょう。
ただし、これには注意すべき点があります。
ツイッターやフェイスブックでは、一つの情報が瞬く間に拡散されていきます。
が、こうしてシェアされて数が多くなっているだけの情報は要注意です。
デマも拡散されるからデマになるのです。
上でもお話ししたように、情報とは他人の「知識」や「経験」のことです。
スマホの指先操作でカサ増ししただけの数は、情報の数には入りません。
シェアする側の立場になった場合も、その情報が確かな知識や実際の経験に基づいたものかどうかを必ず確認してからにしましょう。
信用できる人が認めている情報を
情報の数がなかなか集まらないときがあります。
そういう場合は、情報提供者の「数」でなく「質」を見て判断していくことになります。
たとえば、役所の出す情報は、一個人の出す情報よりも信用に値する場合が多いです。
専門家のコメントなんかも、信用度は高いといえます。
一人の旅行者の体験談よりも、外務省の出す海外安全情報の方がよりしっかりしている。
地震について学んでいる大学生よりも、その先生の言うことの方が正しい場合が多いでしょう。
いずれも100%確実ではありませんよ。
信用度が「より高い」というレベルの話です。
が、少なくとも、デマに遭う恐れは減るでしょう。
数も質も揃わないときには…
情報というのは、特に出始めの頃は、なかなか手に入らないものです。
そういうときというのは、「判断できない」状況です。
「判断ができない」のに「動く」というのは、当てずっぽうの賭けと同じです。
負けたときには最悪の結果を受け入れる!という覚悟があるなら、動いていい。
が、そうでないなら、様子見です。
今現在、危険な状況の真っ只中にいるようなときは話が別ですよ。
でも、じっとしていて身に危険が及ばないという状況なら、それは動く時ではありません。
情報は時間とともに集まるし、そうなったときには、
さらに安全で実りの大きな行動が取れるようになります。
まとめておきます。
・情報を選別するときは、それを採用する根拠を明確にすること
・根拠となる情報には、「数」と「質」の裏付けがあるかどうかをチェックすること
・十分な根拠が集まらないときは、行動を控えること
シンプルな話ではありますが、はっきり意識しておくかどうかで結果がちがってきます。
私は今のところ、海外旅行先で人にだまされたことがありません。
上のようなことを頭に留めて、落ち着いてさえいれば、ひどい目に遭うことも減ると思いますよ。
私が旅行先で判断に困ったときは、とりあえず座ってお茶を飲んだり、ごはんを食べたりしています。