しんどい仕事が来た時に思い出したい話

私もいろいろな旅行をしてきましたが、
後になって「あれはいい旅だった」と振り返ることができる、
そんな旅には一つの条件があると思います。

後になって「よかった」というのは、
「有益だった」という意味です。

どんな旅行が有益で、有意義か。
一言でいうなら、それは

「(適度な)ストレスのある旅」

です。

ストレスのまったくない、ただラクなだけの旅行っていうのは、
あまり後に残るものがない気がするんですね。

では、ストレスのある旅というのは
後に何を残してくれるのか。

それはズバリ「成長」です。

「かわいい子には旅をさせよ」ということわざがありますが、
あれは心底本当だと思います。

この原理は旅だけでなく、
仕事にもそのまま当てはまります。

ラクな仕事ばかりこなしていても、
仕事人として成長はありません。

ただ、仕事となると旅行以上に、
ストレスのかかるのはイヤなもんです。

仕事でよくあるストレスというのが、
「無茶振り」というやつ。

「これやっといて」って頼まれる仕事が、
それまでやったことのない、
どうすればいいのかパッとはイメージできないものだったりすると、
これは何としても引き受けたくない。

断れるなら断りたい。
逃げ出したい。

でも、実は、
そうやって乱暴に振られる仕事こそが
成長のチャンスです。

今日は私が学生の頃、尊敬していた先生から聞いた
あるエピソードをご紹介します。

あなたの身に降りかかってきた嫌な仕事を
少しでも前向きに引き受けるための
助けになればと願っています。

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頼まれる仕事であれば、できるはず

私、学生の頃、英文学研究室にいたことがありました。

で、その時、研究室の主任教授だったのが、K先生という方でした。

お酒の好きな方だったのですが、
ある時、何かの飲み会の席で聞かせてくださったお話です。

ある時、何かの縁でアメリカの大学から
「集中講義に来てほしい」という依頼が
先生のところへ来たそうです。

まあ大学の先生ですし、もちろん言葉に不自由はないので、
講義の依頼くらいは普通に来るものなんでしょう。

ところが、このとき依頼された講義のテーマというのが
「日本文学について」だったそうです。

K先生は英文学者です。
専門外のネタをやってくれと頼まれたわけですよ。

アメリカ人から見たら、
「日本人やから日本文学も話せるやろう」
というくらいの感覚やったのかもしれません。

が、何しろ大学で講義してくれという依頼ですからね。
国籍だけでなく、専門性も関係してきます。

K先生の大学の同僚には、
日本文学を研究している方もたくさんいます。

「私よりもこの方を」と
紹介してすませることは簡単だったはずです。

でもK先生は、この依頼をご自身で受けられたそうです。

そして、アメリカの大学で日本文学の講義をされたそうです。

それだけの話なんですけどね。

でも、私はこの話、すごく好きです。

これ聞いてから、かれこれ15年以上経ってますが、
今でも時々思い出すくらいです。

これから一生、
時々思い出し続けるだろうなあと思います。

先生は言われました。

「そりゃ私も最初は断ろうと思った。
専門じゃないんだから。これはできないと思ったよ。

でもね、相手は私に依頼してくれたんです。
頼んでくるということは、
先方も『こいつならやれる』と見込んでるはずなんですよ。

私は自分では『やれない』と思った。
ところが相手は『やれる』と見ている。

こういう時は、相手の方が正しいものなんだと思ったんだね、私も。
だから思い切って受けたんです」

先日、私のところにある仕事の依頼が来ました。

日本で暮らす外国人の生活支援をするサイトがあるそうで、
そのページの原稿を「やさしい日本語」で書いてほしいというものでした。

私の本業でも専門でもなんでもない。
経験もない。

でも、私は引き受けました。

私に依頼してくださったからです。

「ストレスのある旅」については、
それが具体的にどんなものなのか、
また別の機会にお話ししようと思います。

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